膝(ひざ)・ふくらはぎ
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が摩耗し、関節の機能が低下する病気です。加齢や肥満、膝に過剰な負担がかかることが主な原因で、膝の痛みや腫れ、動きの制限といった症状が現れます。進行すると、歩行が困難 になり、日常生活に支障をきたすだけでなく、関節の変形が進むこともあります。また、足の病気や変形があると膝に余計な負担がかかり、膝関節症の症状を悪化させることがあるため、足と膝のケアは密接に関係しています。
治療には、薬物療法や物理療法、ヒアルロン酸注射などの保存療法が行われるほか、症状が重い場合には外科的治療が検討されることもあります。予防には、適切な体重管理や筋力を鍛える運動が効果的であり、同時に足の状態を整えることも膝の健康を保つために非常に重要です。
血管には、心臓から全身に酸素や栄養を送り届ける「動脈」と、体内で使われた血液を心臓に戻す「静脈」があります。下肢静脈瘤は、この 静脈の働きがうまくいかなくなることで、足や下肢の静脈が膨らみ、ねじれる病気です。血液がスムーズに流れず静脈に溜まるため、足のだるさや浮腫(むくみ)、痛みが生じ、見た目にも影響を与えます。進行すると歩行が困難になったり、皮膚の変色や潰瘍、血栓が形成されるリスクもあります。
原因として、長時間の立ち仕事や座り仕事、加齢、肥満、妊娠などが挙げられます。治療には着圧ストッキングや靴下の着用や生活習慣の改善に加え、硬化療法やレーザー治療、外科手術が選択されることもあります。
脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)は、オーバーユース症の一種で、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行うことで発症しやすい障害です。運動中や運動後に『すね』の主に内側に痛みが生じるのが特徴です。
過度な運動量や急激な運動の増加(特に初心者や運動を再開した人に多い)、運動環境や道具、さらにO脚、回内足、扁平足といった生来の形態異常、筋力の低下や関節の可動制限なども発生の誘因となります。
肉離れは、筋肉が過度に引き伸ばされたり急激に収縮した際に、筋膜や筋繊維が損傷、断裂する状態です。
発症時には激しい痛みが生じ、動くことが難しくなる場合があります。損傷部位から「プチッ」という音が聞こえたり、皮膚の上から小さなへこみが確認されることもあります。特にハムストリングス(太ももの裏側)や腓腹筋(ふくらはぎ)など、負荷が集中しやすい筋肉で起こりやすく、スポーツや肉体労働中に多く見られます。
筋肉の疲労や筋力低下、準備運動不足がリスクを高める要因となり、急激な負荷がかかる状況で発症しやすくなります。